以前に「50歳以上の外国人向け10年ビザを政府が承認」という記事を書きましたが、リタイヤメントするためのビザとしては、かなり高いハードル(銀行口座に300万バーツ以上の預金)があるため、この条件をクリアできる日本人はあまり多くないと見ています。
(300万バーツとは現在のレートで960万円以上となるため、もともとタイで老後を過ごそうと思う人はタイの安い物価などに引かれてタイを目指すため、ミス・マッティングとなるでしょう。)
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年金もらってタイで悠々自適」はすでに現実的ではない
「タイなら物価が安いから年金で悠々自適」などという言葉に夢見て渡タイする年配男性も多いようですが、安いのは屋台で食べる食事だけ。最近は物価もあがり、日本とさほど変わらなくなってきているものも多いです。さらに健康を害した場合、また介護が必要となった場合、介護事業・介護制度の整っていないタイでは日本のような介護生活を期待するのは難しいでしょう。
歳をとれば健康にかかるコストは増えていきます。そうなる前に言葉を覚え、行きつけのローカルクリニックでもあれば別かもしれませんが、日本語通訳のいるような私立病院で快適に・満足できる医療を受けるには年金だけでは不十分です。他国に比べて取得しやすかったリタイヤメントビザの取得要件も年々厳しくなっているようですし、「年金もらってタイで悠々自適」とは簡単にいかなくなっている、というのが現状です。
「今更日本に帰ってどうするの ?住むところも車も処分してきて、なにも残ってないよ。タイにいるしかないんだよ」
以前、Aさんが私に言った言葉です。気持ちはわからないでもありませんが、タイは(フィリピンも)姥捨て山ではありません。しっかりとした将来設計(老後計画)を持たないと、「暖かい国でのんびりサバイサバイ」というわけにはいかないのが現実です。