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2026年3月30日

AirJapan撤退から学ぶ:タイで個人起業する日本人の教訓

AirJapan撤退に見る、タイで個人起業する日本人への示唆

バンコク・スワンナプーム空港と成田空港を結んできたローコストキャリア(LCC)「AirJapan」が、最終便の運航を終え、バンコク路線から姿を消しました。

NQ2便はバンコクを午前1時18分に出発し、約5時間後の午前8時19分に成田へ到着。これをもって同社は水曜日を境にすべての運航を停止し、保有機材は親会社であるANAグループ本体の国際線拡大に振り向けられると発表されています。

一方で、AirJapanのタイ向けFacebookページは存続し、元客室乗務員の近況や航空会社関連の情報発信を続けるとしています。

この「撤退と接点維持」の組み合わせは、タイで個人起業・スモールビジネスを目指す日本人にとっても示唆に富んだケースです。

なお、タイでは仏暦が用いられ、西暦2023年はタイ仏暦2566年に相当します。ニュースや契約書の日付を確認する際には、この差異を常に意識しておく必要があります。

以下では、この出来事から読み取れるビジネス上のポイントを、タイで個人事業を始める読者向けに整理します。

1. 「撤退=失敗」ではなく「資源の再配分」と捉える

AirJapanは路線を手放し、運航も停止しますが、親会社のANAグループはその機材を国際線拡大に活用するとしています。

重要なのは、「事業をやめる」ことが、必ずしも「企業として後退する」ことを意味していない点です。あくまで資源をどこに集中させるかの選択に過ぎません。

これをタイでの個人起業に引きつけると、例えば次のような判断があり得ます。

– バンコク中心部のオフィスを閉じ、自宅兼オフィスに集約し、浮いたコストをオンライン集客に投じる

– 採算の合わないサービスメニューをやめ、その分、単価の高いコアサービスに時間とエネルギーを振り向ける

AirJapanのケースは、「一度始めたから、何があっても維持しなければならない」という固定観念から離れ、タイミングを見て事業ポートフォリオを組み替える発想の重要性を示しています。

個人事業であっても、「どのサービスは続け、どこは思い切ってやめるのか」「時間と資金という自分の“機材”をどこへ再配分するのか」を、定期的に見直す視点が欠かせません。

2. 撤退後も顧客接点を維持する発想 ― Facebookページの意味

注目すべきは、運航停止にもかかわらず、AirJapanがタイ向けFacebookページを残し、情報発信を続けると明言している点です。

「飛行機が飛ばないのに、なぜSNSは続けるのか」と考えると、そこには少なくとも次のような狙いが読み取れます。

– これまでの利用者との関係性を一度で切らず、ブランドへの好意を維持する

– 元客室乗務員の活動など、人に焦点をあてることで、人材やストーリーを資産化する

– 将来何らかの形で事業を再開・転換する際に、既存フォロワーを再び顧客接点として活用できる

タイで個人ビジネスを営む場合も、物理的な店舗や特定サービスを閉じた後の「顧客とのつながり」をどう設計するかが問われます。

例えば、

– バンコクのオフィスを閉鎖しても、FacebookページやLINE公式アカウント、メールマガジンは維持し、近況や業界情報を発信し続ける

– 一つの屋号・ブランドでの事業をやめても、同じSNSコミュニティを新ビジネスの告知に慎重に活用していく

といった形で、「事業」と「コミュニティ」を切り離して考える視点が有効です。

AirJapanが、機材や路線は親会社に統合しつつ、タイ向けのデジタル接点だけは残す構図は、スモールビジネスにおける「撤退戦略+関係性マーケティング」の一つのモデルと言えるでしょう。

3. 日本本社とタイ現地 ― 二層構造を意識したリスク管理

AirJapanの親会社はANAグループです。今回、AirJapanというブランドでの運航は停止しますが、飛行機自体はANA本体の国際線として活用されると公表されています。

すなわち、「現地での一つの事業形態」は終わるが、「親会社としての海外展開」はむしろ続いていくという大きな構図です。

これは、タイで個人起業する日本人にも、そのまま当てはまる構造です。

– 日本に本社(個人事業の拠点や会社)を置いたうえで、タイに進出する

– 日本側のクライアントワークを土台にしつつ、タイでの新サービスを試す

このような二層構造では、「タイ側のビジネス」がうまくいかなければ、日本側のリソース配分を変えることで全体最適を図る余地が生まれます。

AirJapanの例は、次のような教訓を与えてくれます。

全体戦略の中で、タイ事業の位置づけを常に確認する

– タイでの売上や成果だけにとらわれず、「日本側の時間・資金・信用をどこまで割くのが妥当か」を定期的に見直す

– 最悪の場合、タイ側事業を縮小・撤退するシナリオも、あらかじめ冷静に描いておく

個人ビジネスであっても、「自分の中のANAグループ(本体)」と「自分の中のAirJapan(タイでの試験的事業)」を意識的に分けて考えることで、感情に流されない意思決定がしやすくなります。

4. 交通・航路の変化を前提としたビジネス設計

今回のニュースの背景には、バンコクと成田を結ぶ約5時間のフライトという「物理的な距離」をどう事業として捉えるか、という視点も潜んでいます。

AirJapanの撤退は、単に一つのLCCブランドが消えるというだけでなく、

「いつでも、安価に、日本とタイを往復できる」前提が揺らぎ得る

– 特定の航空会社やルートに依存したビジネスモデルは、見直しを迫られることがある

という現実を示しています。

タイで個人起業する日本人にとって、バンコク―成田のルートは、ビジネスと生活の両面で重要な動脈になりがちです。

この動脈に、価格や便数、運航会社の変更といった変動がかかることを前提に、次のような視点を持っておきたいところです。

– 日本とタイを往復しなければ成り立たないビジネスモデルになっていないか

– 特定の航空会社や運航形態に依存しすぎていないか

– 渡航が難しくなった場合でも、オンラインや現地パートナーを通じて事業を継続できる設計になっているか

AirJapan撤退のニュースは、一見すると航空業界の話に見えますが、個人起業家にとっては「移動コスト・移動リスクをどう織り込むか」という、より根源的な問いを投げかけています。

5. ニュースを「行動のヒント」に変える

AirJapanは、運航停止の翌日にタイ向けFacebookページで利用客へ感謝を伝え、その後も乗務員の近況や関連情報を発信し続けると明らかにしました。

ニュースサイト側も、購読者向けに「日々の最新情報や速報、独自コンテンツを届けるニュースレター」を案内しています。

この一連の流れは、タイで起業を考える日本人にとって、次の二つを示唆します。

1. 「伝え方」と「関係性」の設計は、事業そのものと同じくらい重要であること

2. 業界ニュースや撤退事例を、単なる話題ではなく自分のビジネスの点検材料として活用できること

タイ仏暦2566年(西暦2023年)前後に報じられた今回のニュースは、数年後には忘れられていくかもしれません。

しかし、そこに含まれる

– 資源の再配分

– 撤退後の顧客接点維持

– 親会社と現地事業の二層構造

– 移動インフラへの依存リスク

といった論点は、これからタイで個人起業するうえで、長く通用するチェックリストになり得ます。

起業のアイデアや収支計画を練る際、ふと手を止めて、AirJapanの事例を思い出してみてください。

「もし自分がAirJapanの立場なら、どこをやめ、何を残すか」。

その問いこそが、タイでのビジネスを持続可能なものにするための出発点になります。

Photos provided by Pexels
参照記事:https://www.bangkokpost.com/business/general/3227183/airjapan-bids-farewell-to-thai-skies

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