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2025年も残りわずかとなりました。
今年は「為替の逆風」と「タイ市場の次の成長テーマ」が同時に進み、起業・事業運営の前提がじわじわと変わった一年だったように感じます。
ここでは「タイ個人起業支援会」が特に印象に残った4つのトピックを、簡単に振り返ります。
(※本文内のリンクは参考として掲載しています)
歴史的な円安で「1バーツ5円台」へ—値付けと生活コストの再設計
2025年の終盤、ついに「1バーツ=5円台」という水準が現実味を帯びてきました。
旅行者にとっても痛い話ですが、タイで事業をされている方にとっては、家賃・人件費・外注費・役所手数料など、日々のコスト構造が“円換算で”一段上がったことを意味します。
特に「売上は円、コストはバーツ(またはドル)」の形になっている場合、利益が削られやすくなります。
今年はご相談の中でも、次のような見直しテーマが増えた印象です。
- 見積書・契約書を「どの通貨で固定するか」(円固定/バーツ固定/為替連動)
- 価格改定のタイミング(年1回では追いつかないケースも)
- キャッシュフローの通貨バランス(“いつ・どの通貨で”支払うかの設計)
参考:円バーツ相場の話題
「設立で終わらない」支援が前提に—事業売却・撤退の実務
2025年は、会社設立やビザ取得だけでなく、事業の“出口”(売却・撤退)まで視野に入れたご相談が目立った年でした。
撤退はネガティブに見えがちですが、実務としては「撤退の意思決定が早いほど、損失が小さくなる」ことも多いです。
また、売却できる状態であれば、次の挑戦の資金・時間を確保できる可能性もあります。
当ブログでも、従業員5名程度の小規模事業を想定し、売却・撤退の流れと注意点を整理しました。
「まだ先の話」と思っていても、
・名義・株式構成
・会計の整備
・契約書(賃貸・雇用・取引)
が整っているかどうかで、出口の難易度が大きく変わります。
“いつでも動ける状態”を作ることが、結果として攻めの事業運営にもつながります。
タイの投資戦略がより明確に—EV・半導体・デジタル/AIなど「次の成長分野」
2025年は、タイ側の産業政策が「次に伸ばしたい領域」をより明確に示した一年でもありました。
投資・進出を考える側にとっては、国の方針が見えるほど“勝ち筋”を作りやすくなります。
たとえば、日タイ投資フォーラムの話題では、BOI(タイ投資委員会)の成長分野として
- EV・バッテリー
- 半導体
- デジタル・AI
などが提示され、投資環境改善策も言及されています。
個人起業の文脈で見ると、巨大投資そのものよりも、
「その周辺で必要になる、実務・手続き・バックオフィス・現地連携」
にビジネス機会が出やすいのがポイントです。
EV投資が“計画”から“実行”へ—タイが製造・輸出拠点として再加速
産業トレンドとして分かりやすかったのが、EV関連投資の具体化です。
日本企業の投資ニュースも多く、タイが製造・輸出のハブとして再び存在感を示していることを感じさせました。
参考:THAIBIZオンライン(2025年のニュース振り返り)
https://th-biz.com/thaibiz-news-pickup-2025/
こうした動きは、メーカーだけの話ではありません。
部品・物流・保険・通訳翻訳・現地スタッフ育成・法務会計など、周辺領域の需要が積み上がっていきます。
個人起業家にとっても「狙える仕事の種類が増える」一方で、契約・税務・雇用など実務の地雷も増えやすい年だったと思います。
まとめ
2025年は、円安という逆風が強まる一方で、タイ市場は「次の成長テーマ」へ確実に動いた一年でした。
来年2026年(午年)は、環境が変わっても“走り続けられる設計”ができる方が強い年になりそうです。
私たち「タイ個人起業支援会」では、会社設立・就労ビザ・ワークパミット・会計業務に加え、事業拡大や撤退・売却まで含めて、日本語で一貫してサポートしています。
タイでの起業・運営でお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。
https://thai-kigyosien.com/
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