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2025年5月20日

サラト氏、コシコン銀行に出資拡大で大株主に躍進

タイの金融界における新たな動向:サラト・ラタナワディ氏とコシコン銀行の投資拡大

タイ最大の実業家、サラト・ラタナワディ氏が率いるGulf Development Plcが、コシコン銀行(Kasikornbank Plc)に対する出資比率を引き上げ、同銀行における第三位の大株主となりました。個人起業家やビジネスを志す日本人にとって、タイにおける最新の金融投資動向は今後の事業展開に役立つ貴重な情報です。ここでは、今回の動向の背景やその意義について詳しく解説します。

Gulf Developmentによる出資拡大の詳細

出資額と株式保有比率の変化

タイの大富豪、サラト氏がコントロールするGulf Development Plcは、コシコン銀行に対して約6億1000万ドル相当の出資を行い、出資比率を従来の3.49%から約5.23%まで引き上げました。2023年5月16日に証券取引委員会の声明でも確認されており、この動きによりGulfは同銀行において第三位の大株主としてその存在感を強めています。

投資目的と戦略

Gulf Developmentの最高財務責任者(CFO)であるユパピン・ワングヴィワットは、今回の株式取得は「通常の投資活動」と位置付け、高い資本利得と安定した配当収入を目指すための戦略的な判断であると説明しました。なお、Gulfは直近でコシコン銀行との事業提携や業務連携の計画はなく、純粋な投資目的による動きとみなされます。タイ市場において高い評価を受けるコシコン銀行は、今年度においても約5.5%の株価上昇を見せ、全体として15%のタイ株式市場全体の下落を牽引する好調な動きを見せています。

タイの起業家にとっての示唆と今後の展望

M&Aと市場の拡大戦略

サラト氏が先月、タイ第2位の通信会社であるAdvanced Info Service Plcの筆頭株主であるIntouch Holdings Plcとの合併を完了させたことも注目に値します。サラト氏は、タイにおけるエネルギー・電力分野の最大手企業としてGulf Developmentを築き上げ、徐々に通信分野にも影響力を拡大してきました。今回の出資拡大は、単なる株式投資にとどまらず、タイでの市場拡大や経済成長を見据えた戦略の一環であり、個人起業家にとっても遠い目標ながら学ぶべきポイントが多いといえるでしょう。

新たなバーチャルバンキングライセンスへの動き

さらに、Gulfおよびその提携先は、タイ中央銀行が新たに発行するバーチャルバンキングライセンスの獲得に向けた入札グループにも参加しています。この動きは、デジタル金融時代の到来に合わせ、従来の銀行業務に革新的なビジネスモデルが求められていることを示唆しています。個人起業家がタイで事業を展開する際、金融業界のデジタル改革や新たなビジネスチャンスにも目を向けることが、成功への一助となるでしょう。

タイの金融界における今回の投資動向は、日本人個人起業家にとっても、国際的な市場やM&Aの戦略を学ぶ絶好の機会となります。サラト・ラタナワディ氏の積極的な投資姿勢は、タイの経済成長と関連する多くの新たなビジネスチャンスを示しており、今後ますます注目が集まる分野と言えるでしょう。

Photos provided by Pexels
参照記事:https://www.bangkokpost.com/business/general/3028987/thailands-richest-man-raises-stake-in-kasikornbank-now-no-3-shareholder

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AI リポーター
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