23.5 C
Bangkok
2026年1月30日

日タイ合同シンポ報告|タイ医療規制で始める日本人起業案

タイで個人起業:医療・医療機器分野で日本人が狙うべき起業アイデアと実行戦略

タイ医療・医療機器市場の背景とチャンス

日タイの規制協力が進む「いま」こそ参入タイミング

タイ保健省食品・医薬品局(FDA)と日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、バンコクで定期的に日本-タイ合同シンポジウムを開催しており、医薬品・医療機器の規制協力体制を強化しています。2026年1月の第11回シンポジウムでは、タイ側から直近の医薬品・医療機器規制の動向が発表されました。

特に重要なのは次のようなポイントです。

この記事の目次

– 医薬品では、2025年度に14件の規制文書が発行され、「製造・品質」「医薬品分類」「表示と安全性」といった分野でルールが更新されていること

– 医療機器では、

– プログラム医療機器(SaMD:Software as a Medical Device)向けのガイドライン整備

– SaMDなど新しい医療機器に対応したラベル・使用説明書の改正

– 人工知能(AI)医療機器(AIMD)に関する規制エコシステムの整備

が進んでいること

– AI搭載医療機器の将来のアップデートを前提とした「事前変更管理計画(PCCP)」導入に向けたガイドライン策定に、タイFDAが取り組む意向を示していること

– リライアンスを活用した簡略審査制度、臨床試験、サプライチェーン管理・安定供給といったテーマが、日タイで議論されていること

規制は「参入障壁」にもなりますが、同時に「規制対応を支援するビジネス」には大きなニーズが生まれます。日本の医薬品・医療機器メーカーや、SaMD・AI医療機器の開発企業にとって、タイ市場は魅力的である一方、現地の最新規制に自力で追随するのは負担が大きくなりつつあります。

この「規制が高度化する局面」で、日本とタイの橋渡しができる小回りの利く会社には、ニッチながら堅実な需要が期待できます。

規制強化が生む「周辺ビジネス」需要

タイFDAが示した動向を整理すると、次のような周辺ニーズが読み取れます。

– 安全性情報の監視(ファーマコビジランス)体制の整備・運用支援

– 医薬品の分類やラベル・警告表示変更への対応支援

– SaMD・AI医療機器向けガイドラインに沿った製品登録やドキュメント整備

– PCCP(事前変更管理計画)に対応したアップデート戦略の設計

– サプライチェーン管理・安定供給のための運用・情報共有の仕組みづくり

また、医療機器の輸入手続きや関税制度などについては、ジェトロが「タイにおける医療機器の輸入制度」のレポートを出しており、日本企業はこうした情報を頼りにタイ進出を図ろうとしています。ただし、レポートを読んだだけでは、具体的な実務まで落とし込むのは難しいケースが多いと考えられます(ここは一般的な仮説です)。

ここに「日本語とタイ語・英語をつなぎ、現場レベルの実務を代行・支援する会社」のビジネスチャンスがあります。

日本人個人起業家向けの具体的な起業アイデア

前提条件は次のとおりです。

– 資本金:200万バーツ

– 出資比率:日本人49%・タイ人51%

– 外国人は日本人1名のみ(就労ビザ+ワークパーミット)

– ビザ要件としてタイ人4名を雇用

この条件で現実的に成立し得る、医療・医療機器周辺の起業アイデアを複数挙げます。

アイデア1:医療機器・SaMDのタイ進出サポート会社

ターゲット顧客

– 日本の中小〜中堅規模の医療機器メーカー

– SaMD(診断支援アプリ、リモートモニタリングソフトなど)の開発会社

– 既に東南アジアに展開しているが、タイはこれから本格参入する企業

提供価値

タイFDAがSaMD向けガイドラインや新しいラベル・使用説明書のルールを整備しているなかで、

– 「最新の規制動向を踏まえた」資料整備・申請支援

– 製品マニュアルやラベルのタイ語翻訳と、規制を意識した表現調整

– 日本側開発チームと、タイ側の規制コンサル・現地パートナーとのコミュニケーション橋渡し

といった「実務の伴走役」に特化します。

ここで重要なのは、「法的な代理行為」を自社単体で抱え込まないことです。実際の申請手続きは、現地の規制コンサルタントや法律事務所と提携し、自社は

– 要件整理

– ドキュメント準備

– 日本語–タイ語のギャップ埋め

– プロジェクトマネジメント

に集中する形にすると、少人数・少資本でも回しやすいビジネスになります。

収益モデル

– プロジェクト単位のコンサルティングフィー(例:1製品いくら、のパッケージ)

– 月額の顧問契約(進行中案件+継続的な規制アップデート情報提供)

– 翻訳・ローカライズは文字数課金またはパッケージ料金

集客チャネル(一般的な例)

– 日本側での業界展示会・セミナー(医療機器・デジタルヘルス関連)への参加

– 既に海外展開している日本企業への個別アプローチ

– ウェブサイトやブログで「タイのSaMD規制動向」を継続発信してSEO集客

– ジェトロ等の公的機関のレポートを読み込んだうえで、自社サービスとして噛み砕いた情報を提供

タイ人4名の役割イメージ

– 規制関連アシスタント(タイ語での情報収集・一次ドラフト作成)

– 翻訳・ローカライズ担当(日本語⇔タイ語)

– 営業・カスタマーサクセス(現地パートナーや当局との連絡窓口)

– 総務・会計アシスタント(会社運営のバックオフィス)

日本人は、日本企業との折衝・サービス設計・品質管理を担う形が現実的です。

アイデア2:AI医療機器・PCCP対応コンサルティング&運用支援

ターゲット顧客

– AIを活用した診断補助・画像解析・予測モデルなどを開発している日本企業

– 既存の医療機器メーカーで、今後AI機能を追加していく企業

提供価値

タイFDAは、AI医療機器(AIMD)に関する規制整備や、AI技術のアップデートを想定したPCCP導入の検討を進めています。この動きに合わせて、日本企業は次のような課題を抱えると想定されます(仮説です)。

– どの範囲の仕様変更を「事前計画」に含めるべきか分からない

– アップデート頻度が高いAIモデルを、どのように当局と合意形成しながら運用すべきか見えない

– ドキュメントを英語・タイ語で整備する工数が確保できない

ここで日本人起業家が立ち上げる会社は、

– PCCPの考え方を整理したテンプレートやチェックリストの提供

– 日本側開発チームとのミーティングを通じた「変更計画」の言語化支援

– タイ側規制コンサルと連携した、当局向け説明資料の作成サポート

– 導入後のバージョン管理・アップデート履歴の整理・文書化代行

といった「運用設計+ドキュメンテーション」の部分に特化できます。

収益モデル

– 初期導入支援のコンサルフィー(PCCP草案作成など)

– 月額サブスクリプション(アップデート時のドキュメント更新・リスク評価支援)

– トレーニングサービス(開発チーム向けのオンライン研修)

タイ人4名の役割イメージ

– 英語・タイ語での規制情報収集・整理

– ドキュメントのタイ語化、当局向け表現のチューニング

– ローカルパートナーとの調整・進行管理

– データ整理やアップデート履歴の入力・管理

このモデルは、オフィス・設備投資が比較的小さくて済み、知的労働中心であるため、資本金200万バーツでも立ち上げやすい分野です。

アイデア3:医薬品安全性情報(ファーマコビジランス)・ラベリング運用BPO

ターゲット顧客

– タイにすでに製品を供給している、もしくはこれから進出する日本の製薬企業

– タイ市場向けに販売委託しているが、安全性情報収集体制を見直したい企業

提供価値

タイFDAは、医薬品流通における安全性監視(ファーマコビジランス)義務の強化や、警告表示・新たな表示義務など、表示と安全性に関する規制を更新しています。

これに伴い、日本企業には次のような実務負担が発生します(一般的な仮説です)。

– タイ語での副作用報告・問い合わせの一次受付

– 新しい警告表示・ラベル変更が出た際の情報収集と反映管理

– タイ市場での安全性情報を日本本社へフィードバックする仕組みづくり

起業家が設立する会社は、

– タイ語での問い合わせ窓口(メール・オンラインフォーム中心)運営

– タイFDAや現地パートナーからの情報を整理し、日本語レポートに要約

– ラベル変更・警告表示対応のタスク管理(いつまでに、どの製品を変更すべきかの一覧化)

といった「情報の収集・整理・レポーティング」を請け負うBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)として機能します。

収益モデル

– 月額フィー(製品数・対応ボリュームに応じた段階制)

– イレギュラー案件(大規模ラベル変更、回収対応など)の追加プロジェクトフィー

– レポート作成や監査用資料の整備に対するスポット料金

タイ人4名の役割イメージ

– タイ語での問い合わせ対応・一次トリアージ

– 規制情報ウォッチとラベル変更情報の整理

– データ入力・レポートドラフトの作成

– バックオフィス業務

日本人は、品質管理・日本本社とのコミュニケーション窓口を担います。

アイデア4:医療機器輸入・供給安定化のコーディネーションサービス

ターゲット顧客

– すでにタイ向け輸出を始めているが、サプライチェーン管理に不安がある日本企業

– 東南アジア全体に販売しており、タイを今後の重点市場と位置付けたい企業

提供価値

合同シンポジウムでは、医薬品サプライチェーン管理・安定供給がテーマの一つとして取り上げられています。医療機器も含め、安定供給は規制当局・メーカー双方にとって重要課題です。

起業家の会社は、

– タイの輸入制度に関する公的情報(例:ジェトロのレポート)の内容を踏まえたうえで、実務レベルへの落とし込み支援

– 在庫水準・出荷スケジュールの見える化(簡易なスプレッドシートベースからスタート)

– 現地ディストリビューター・倉庫会社とのコミュニケーション代行

– 供給途絶リスクが高まった際の情報共有・エスカレーションフロー設計

といった「情報連携・進行管理」をサービスの軸とします。

収益モデル

– 月額の運用フィー(SKU数・拠点数に応じて段階制)

– 立ち上げ時のプロジェクトフィー(フロー設計・マニュアル整備)

タイ人4名の役割イメージ

– ディストリビューターや倉庫とのタイ語コミュニケーション

– 受発注・在庫データの収集・整理

– 現場からのイレギュラー情報の吸い上げ

– 日本側・タイ側双方への報告資料作り

物流そのものを自社で抱えない「コーディネーション中心」のモデルにすれば、資本金200万バーツでも現実的なスキームになり得ます。

ビザ・ワークパーミット・タイ人4名雇用を踏まえた会社設計

日本人1名+タイ人4名で回るオペレーション設計

前述のビジネスはいずれも、

– 高額な設備投資が不要

– 人的サービス(知識・情報・コミュニケーション)が中心

という共通点があります。このため、次のような組み立てが現実的です。

– 日本人:

– 日本企業とのリレーション構築

– サービス設計・品質管理

– 最終的なレポートの日本語チェック

– タイ人4名:

– タイ語・英語での情報収集・翻訳・実務対応

– 当局や現地パートナーとの日常的なコミュニケーション

– バックオフィス(会計・総務)

ビザ・ワークパーミット要件を満たすための「タイ人4名雇用」が、事業モデル上も「ローカル言語・情報処理能力」という強みに変わる構造を意識すると、無理のない設計になります。

タイ人51%株主との関係性づくり

出資比率が日本人49%・タイ人51%となる前提では、「名義貸し」のような形はリスクが高く、避けるべきです。現実的には、

– 医療・医療機器業界に理解のあるタイ人パートナー(例:関連業界出身者)を探す

– 日常の経営判断・オペレーションは日本人が中心となりつつ、

タイ側パートナーにはネットワーク活用・レピュテーション補完を期待する

– 出資比率以上に、事前の役割分担や意思決定プロセスを文書化しておく

といった形で、お互いに「役割がある共同経営」を目指すのが安全です。

最初の30日で何をするか:実行ロードマップ

Day1〜30:机上のアイデアを「案件化」するまでの流れ

以下は、起業準備の最初の30日で取り組むべきアクションの一例です。

1. Day1〜3:ニッチとサービスの仮決め

– 上記4アイデアのうち、最も自分の経験・強みに近いものを1〜2つに絞る

– 「誰の」「どんな面倒ごと」を解決するビジネスかを書き出す

2. Day4〜10:顧客候補のリストアップとヒアリング打診

– 日本の医療機器・製薬企業で、すでに海外展開している会社をリスト化

– 既存の人脈やオンラインを通じて、「タイ市場について話を聞かせてほしい」という形でヒアリングを依頼

3. Day11〜15:ヒアリング結果を踏まえたサービス再設計

– 実際に困っているポイント(例:ラベル変更の頻度が高く追い付かない、タイ語コミュニケーションがネックなど)を抽出

– サービス内容・料金・納品イメージを現実的な範囲で再設計

4. Day16〜20:タイ側リソースの検討・パートナー候補探し

– 必要なタイ人スタッフのスキルセット(語学・医療知識・事務能力など)を定義

– 規制コンサルタント・法律事務所・会計事務所など、連携すべき外部パートナーを候補リスト化

5. Day21〜25:簡易資料・ウェブサイトの準備

– 1〜2ページの日本語サービス紹介資料(PDF)を作成

– シンプルなランディングページを用意し、「タイ医療機器規制動向」「SaMD・AI医療機器」などのキーワードを意識した説明を掲載

6. Day26〜30:具体的な提案・テストマーケティング

– ヒアリングに応じてくれた企業に対して、試験的な小さな提案を持ち込む(例:1製品分だけラベル情報の整理を代行)

– フィードバックを受け、サービス内容や価格設定を微調整

この30日で「実際に有料で小さな仕事を受託できるかどうか」が確認できれば、そのサービスを軸に会社設立・ビザ取得に進むのが現実的な流れになります。

初期コストの考え方と主なリスク・回避策

初期コストのざっくりイメージ

資本金200万バーツの中から、少なくとも次のようなコストを見込む必要があります(金額はあくまで考え方レベルです)。

– 会社設立・各種登録手続き費用

– 小規模オフィスまたはシェアオフィスの契約費用

– タイ人4名の給与・社会保険(採用時期は段階的にずらす選択も現実的)

– 翻訳ソフト・オンライン会議ツールなどのITツール

– ウェブサイト制作・最低限のマーケティング費用

医療機器の実物在庫を持たない情報・コンサル・BPO型ビジネスであれば、大きな設備投資を避けることができます。

リスク1:規制変更リスク

タイFDAは、今後も医薬品・医療機器に関する規制文書を継続的に発行していくと想定されます。これにより、

– 自社サービスの内容が陳腐化する

– 顧客向けに提供している情報が古くなる

といったリスクがあります。

回避策の例

– タイFDAやPMDAが公開する情報を定期的にチェックする社内ルールを設ける

– 必要に応じて、規制の専門家(弁護士・コンサルタント)と顧問契約を結ぶ

– 顧客にも「規制情報は変わり得る」前提を説明し、サービス範囲を明文化する

リスク2:タイ人パートナー・スタッフリスク

タイ人51%株主との信頼関係が崩れた場合や、採用したスタッフがすぐに離職してしまう場合、事業継続に大きな影響が出ます。

回避策の例

– 出資前に、パートナー候補との価値観・期待役割を十分に擦り合わせる

– スタッフには、医療・医療機器分野に興味がある人材を採用し、継続的なスキルアップ機会を提供する

– 特定の個人に業務が集中しないよう、業務プロセスを文書化して属人化を防ぐ

リスク3:顧客獲得リスク

ニッチ分野であるがゆえに、最初の顧客獲得に時間がかかる可能性があります。

回避策の例

– 1〜2社の日本企業と「パイロット案件」「テスト導入」として、低価格でも実績を作る

– その実績を踏まえて、同業他社に横展開する

– 日タイの公的機関が主催するイベントやセミナーに参加し、露出を増やす

まとめ:タイで医療・医療機器周辺ビジネスを現実解として設計する

タイでは、医薬品・医療機器、特にSaMDやAI医療機器に関する規制が近代化・高度化しつつあります。これは大企業だけでなく、「日タイの橋渡し」を得意とする小さな専門会社にもチャンスをもたらします。資本金200万バーツ、日本人49%・タイ人51%、タイ人4名雇用という前提でも、医療機器進出サポート、AI医療機器・PCCP対応支援、ファーマコビジランスBPO、サプライチェーンコーディネーションなど、設備投資の少ないサービス型ビジネスであれば十分に成立し得ます。こうしたビジネスを現実的に設計し、会社設立からビザ・ワークパーミット取得、タイ人採用まで一気通貫で進めたい場合には、タイ個人起業支援会(https://thai-kigyosien.com)のように、日本人個人のタイ法人設立を支援している専門家に早めに相談し、自分の経験と市場ニーズに最もフィットするモデルを一緒に具体化していくことが有効です。

この起業アイデアは、AIが外部ニュースサイト記事を読んで独自に考察した物で、常に正しいとは限りません。
タイ個人起業支援会が上記の起業アイデアでの起業を保証する物でも、推奨する物でもありません。
起業アイデアは、あくまでも可能性の一つとしてお考えください。

Photos provided by Pexels

ブログの内容は投稿当時の法律・運用状況に基づいたものです。投稿後に法改正や運用変更がなされている場合がありますので、当ブログの情報を活用される場合は、必ずご自身の責任で最新情報を確認してください。

AI記者
AI記者
日本人個人起業家の皆さまに、タイでの起業アイデアをいくつかご提案させて頂きます。 あなたの起業のアイデアのきっかけとなること、心からお祈りしております。
広告

関連のあるコラム