32.6 C
Bangkok
2026年3月27日

ジェトロデータで解く:タイで中国製品を活かす日本人起業法

タイで中国製品の波をチャンスに変える日本人個人起業アイデア戦略

市場・機会の背景を押さえる

中国の対タイ輸出は「電気機器」と「機械」が牽引

タイで個人起業を考えるうえで、まず押さえたいのが「どの国の、どんなモノがタイに流れ込んでいるか」という大きな潮流です。

ジェトロが公表したデータによると、中国の対タイ輸出は2025年通年で前年から20.5%増加し、約1,036億ドル規模に達しています。その中身を2桁レベルの品目分類で見ると、上位は次のとおりです。

この記事の目次

– 1位:電気機器およびその部分品(85類)…前年比51.7%増、約308億ドル

– 2位:原子炉・ボイラー・機械類および部分品(84類)…前年比26.4%増、約169億ドル

– 3位:プラスチックおよびその製品(39類)

– 4位:自動車を含む車両および部分品(87類)

– 5位:鉄鋼製品(73類)

とくに電気機器(85類)の伸びが顕著で、その中でも「電話機およびその他の機器(8517)」が前年比2.1倍の約112億ドルと、金額・伸び率ともに目立っています。さらに詳細を見ると、「電話機・データ通信用装置の部品(851779)」が3.3倍の約79億ドル、「スマートフォン(851713)」が14.6%増の約23億ドルと、通信機器・スマートフォン関連の部品・完成品が強く伸びている状況です。

自動車関連(87類)では、2024年に落ち込んでいた「乗用自動車等(8703)」が2025年には39.1%増と反転し、その中で「電動機のみを搭載した車両(870380)」、いわゆるバッテリー式電気自動車(BEV)も33.2%増と、電動車の流入も拡大しています。

在タイ日系企業は「中国製品の波」を前提に動き始めている

ジェトロが在タイの日系メーカーや商社に行ったヒアリングでは、次のような声が出ているとされています。

– 「中国の製造業・最終製品のタイへの流入は止まらない。その前提で商機を作っていく発想が必要」

– 「タイでの中国系企業との取引は、中国内で話が決まるケースが多く、タイでアプローチをしてもあまり意味がない」

– 「中国内での納入実績が、タイでの中国系企業との取引につながっている」

これらを踏まえると、少なくとも次のような方向性が見えてきます(以下は一般的な整理です)。

– 「中国製品の流入を止める/競合として正面から戦う」のではなく、「流入を前提に、その周辺で稼ぐ」発想が重要

– タイにいるだけでは、中国資本の大企業グループの本流サプライヤーになるのは難しく、「現地サービス」「多国間をつなぐハブ」「ニッチ特化」といった立ち位置が現実的

– 伸びているのは電気機器・通信機器・電動車・機械・樹脂・鉄鋼といった分野であり、その周辺ニーズ(導入・保守・ローカル対応・在庫・小口供給など)に商機があり得る

日本からタイへ移住し、資本金200万バーツ・日本人49%/タイ人51%・タイ人4名雇用という前提で個人起業を考える場合も、この「中国製品の波」を前提にビジネスモデルを設計する方が、現実性が高いと考えられます。

日本人個人起業家向け具体アイデア

アイデア1:中国製電気機器・機械の導入コンサル&保守サービス

電気機器(85類)・機械類(84類)の対タイ輸出が大きく伸びていることから、工場や倉庫、サービス拠点などで中国製設備を導入する動きが今後も続くと考えられます(仮説)。そこで有力なのが、「導入前〜導入後までを一気通貫で支援するサービス会社」です。

想定顧客

– タイに工場を持つ中小規模の日系製造業

– タイローカルの製造業・物流業・サービス業(設備投資にコスト意識の高い企業)

提供価値(例)

– 中国製設備の比較検討サポート(仕様整理・見積比較・リスク整理)

– 設備導入プロジェクト管理(納期・設置・試運転の進行管理)

– 現場向けマニュアル作成・タイ語/日本語トレーニング

– 稼働後の定期点検・トラブル一次対応(必要に応じてメーカーにつなぐ)

– 長期保守契約(年額フィー+スポット作業の従量課金)

日本人起業家は、日本企業の品質・安全基準や現場文化を理解している点が強みです。そこにタイ人エンジニアを4名体制で配置することで、「日本的なきめ細かさ」と「タイ語での現場対応」を両立させるイメージです。

収益モデル(例)

– 導入コンサル:案件ごとのプロジェクトフィー(固定+成功報酬)

– 保守契約:月額/年額のサブスクリプション+部品・訪問対応の実費

– トレーニング:1回あたりの研修費用(人数連動)

集客チャネル(例)

– 在タイ日系企業向け展示会・勉強会でのセミナー登壇

– 既にタイにいる日系企業の知人・同業ネットワークからの紹介

– タイ語・日本語併記のウェブサイト+事例コンテンツによる問い合わせ獲得

アイデア2:中国製EV・自動車関連のアフターサービス拠点

輸送用車両(87類)のうち、電動車(870380)を含むカテゴリーの対タイ輸出も伸びています。中国製EVや関連車両が増えれば、アフターサービス・保守・パーツ供給のニーズも着実に増えるはずです(仮説)。

想定顧客

– 中国製EV・商用車を導入する物流会社・配車サービス・法人フリート

– 中国製車両を扱うディーラー・販売代理店(アフターを外注したい先)

提供価値(例)

– 車両の定期点検・消耗品交換などのメンテナンスメニュー

– 法人向けフリート点検パッケージ(台数ベースの月額契約)

– 車両データの簡易レポート(走行距離・トラブル履歴の整理)

– 正規ディーラーやメーカーとの窓口代行(タイ語・日本語での交渉サポート)

EVの保守には高電圧系統など専門知識が必要なため、実際には各国の法令やメーカー保証条件の確認が欠かせません。そのため、最初からすべてを自前でやろうとせず、「既存整備工場との提携+自社は法人窓口・プラン設計に特化」する形も現実的です。

収益モデル(例)

– 法人フリート向け保守パックの月額フィー

– 1台ごとの点検・修理のサービスフィー

– メーカー・ディーラーからのアウトソーシングフィー(B2B契約)

集客チャネル(例)

– ロジスティクス関連展示会・EVイベントへの出展

– ディーラー・販売代理店へのB2B営業

– フリートを持つ企業へのダイレクト営業(既存ネットワーク活用)

アイデア3:中国製部品・素材の「タイ国内在庫+小口卸」サービス

電気機器の部品(例:851779)、プラスチック製品(39類)、鉄鋼製品(73類)など、中国からタイへ大量に輸入されている品目があります。こうした部品・素材は、「コンテナ単位で輸入する大口需要」と「タイ国内で少量ずつ欲しい中小企業の需要」の間にギャップが生じがちです(一般論)。

そこで狙えるのが、中国から大量に入ってきている品目のうち、一定の回転が見込めるものを絞り込み、「タイ国内在庫を持ち、小口・短納期で供給する商社型ビジネス」です。

想定顧客

– タイ国内の中小製造業(電機・自動車部品・プラスチック加工など)

– 修理業者・施工業者・装置メーカーなど、部材を多品種少量で使う企業

提供価値(例)

– タイ国内での小ロット販売(最小注文数を下げる)

– 在庫型ビジネスによる短納期対応

– 納入前検品(日本人的基準でのチェック)を含めた品質保証の明確化

– タイ語・日本語での技術仕様の整理サポート

収益モデル(例)

– 仕入れ価格と販売価格のマージン

– 特定顧客向けの在庫確保サービス(在庫枠確保分のフィー)

集客チャネル(例)

– 工業団地近辺での営業・紹介ネットワーク

– タイ語版・日本語版カタログサイトでの問い合わせ獲得

– 実績部品のサンプル配布+試供キャンペーン

在庫を持つ形になるため、資本金200万バーツのうち、どの程度を在庫に振り向けるか、回転率をどう管理するかが重要な経営課題になります。

最初の30日ロードマップ

1〜7日目:情報収集と「どこで戦うか」の仮説づくり

タイに到着した直後の1週間は、動ける範囲で徹底的に情報を集め、「3つのアイデアのどれに軸足を置くか」を決めていきます。

– 在タイ日系企業・知人へのヒアリングで、「電気機器導入」「EVフリート」「中国製部品調達」のどこに一番困りごとがあるかを聞く

– 工業団地周辺や都市部を回り、どんな中国製設備・車両・部品が実際に使われているかを目視で確認

– 自分の経験・強み(製造業出身か、商社出身か、車両関連か等)と市場ニーズを照らし合わせ、メインアイデアを1つ決める

この段階では、「1つのアイデアに9割集中、残り1割で他のアイデアの可能性も探る」程度の柔軟さを残しておくと動きやすくなります。

8〜15日目:ビジネスモデル設計とタイ人パートナー候補探し

次の1週間では、具体的なサービス内容・料金体系・役割分担を設計しながら、日本人49%・タイ人51%の構成を前提にタイ人パートナー候補を探します。

– メインアイデアについて、提供メニュー・料金イメージ・ターゲット顧客像を紙1〜2枚で整理

– タイ人4名をどんな職種で配置するか(営業・技術・バックオフィス等)をざっくり設計

– 信頼できるタイ人パートナー候補(共同出資者orキーマン社員)と面談し、ビジョンの共有・役割の擦り合わせを行う

– 会社設立・税務・ビザ・ワークパーミットまわりをサポートしてくれる専門家も、このタイミングで当たりをつけておく

この時点で、「どの顧客層に、どのサービスを、どのくらいの価格帯で提供し、初年度にどの程度の売上を狙うか」というラフな収支仮説を数字ベースで置いておくと、後の判断がブレにくくなります。

16〜30日目:会社設立準備と初期営業のスタート

3週目以降は、会社設立の実務準備と並行して、早期にテスト顧客を見つける動きをスタートします。

– 専門家と相談しながら、会社種類の選択・商号・事業目的の整理など設立手続きを具体化

– 資本金200万バーツのうち、当面の運転資金・在庫・設備投資・初期マーケティング費にどれだけ割り振るかを、キャッシュフローを意識して決める

– タイ人4名のうち、最初に採用すべき1〜2名(例:営業・バックオフィス)を先行してリクルート開始

– 既に接点のある見込み客に対して、「試験導入」「テストプロジェクト」として小さく始められる案件を打診

最初の30日で「完璧な体制」を作る必要はなく、「小さくても実際の案件を1つ動かし、リアルなお金とフィードバックを得る」ことが最優先と考えると、動きやすくなります。

ビザ・ワークパーミット・タイ人4名雇用を踏まえた設計

49%/51%出資とタイ人パートナーの役割設計

前提として、日本人出資49%・タイ人出資51%で資本金200万バーツの会社を設立するケースを想定します。この場合、数字上はタイ人側が過半数を持つ形になるため、ビジネスパートナーとして信頼できる相手を選び、役割・意思決定プロセスを事前に明確化しておくことが重要です(一般論)。

– 日本人:事業コンセプト策定、日本側・日系企業との関係構築、全体戦略

– タイ人パートナー:ローカルネットワーク活用、タイ語コミュニケーション、行政手続きのサポート

– 共通:重要事項(増資・新事業・大口投資など)についての合意プロセスを、契約レベルで整理

特に、中国系企業との取引は中国本社で決まるケースが多いという声があることから、タイ人パートナーに「中国本社とのパイプ役」を求めるよりも、「タイローカル・タイ日系との関係を強くする役割」として期待するほうが現実的です。

タイ人4名の配置案(ビジネスアイデア別)

ビザ・ワークパーミットを維持するためには、一定の資本金やタイ人雇用数が求められることが一般的とされています。本記事の前提条件では、タイ人4名を雇用することになっているため、各ビジネスアイデアごとに、無理のない形で4名を活かす設計がポイントになります。

アイデア1(導入コンサル&保守)の場合

– タイ人エンジニアA:設備導入・保守対応(フィールド作業)

– タイ人エンジニアB:マニュアル作成・研修講師補助

– タイ人営業:タイローカル企業向け営業・問い合わせ対応

– タイ人バックオフィス:経理・総務・書類対応

日本人は、全体のプロジェクトマネジメントと日系企業向け窓口に専念し、現場対応はタイ人エンジニア中心で回す体制が現実的です。

アイデア2(EVアフターサービス)の場合

– タイ人整備士A:EV・車両の点検・整備

– タイ人整備士B:法人フリートの出張点検

– タイ人サービスアドバイザー:受付・見積説明・顧客フォロー

– タイ人事務:予約管理・部品発注・経理

日本人は、法人フリート向けプラン設計、ディーラー・メーカーとの折衝、事業全体の品質管理を担うイメージです。

アイデア3(部品・素材の在庫+小口卸)の場合

– タイ人営業A:工業団地・工場向け外回り営業

– タイ人営業B:既存顧客フォロー・受発注管理

– タイ人倉庫担当:入出庫・在庫管理

– タイ人バックオフィス:見積・請求書発行・経理

日本人は、「どの商材をどのくらい在庫し、どの価格帯・条件で売るか」という商品戦略・仕入れ戦略を担当し、タイ人メンバーが日々のオペレーションとローカル顧客対応を回す体制が考えられます。

キャッシュフローとリスク管理のポイント

資本金200万バーツでスタートし、タイ人4名を雇用する前提では、キャッシュフロー管理が起業初期の最重要テーマになります。とくに次のようなリスクを意識しながら設計しておくと良いでしょう(一般論)。

– 売上立ち上がりが想定より遅れた場合に、人件費・家賃など固定費を何カ月分カバーできるか

– 在庫ビジネスの場合、売れない在庫をどこまで許容するか(在庫回転率の目標)

– 1〜2社の大口顧客に売上が偏りすぎないよう、顧客ポートフォリオをどう組むか

– 中国側の価格変動・方針変更に備え、複数サプライヤー・複数商材を持てるか

「中国製品のタイへの流入は止まらない」という前提は、ビジネスチャンスであると同時に、価格競争・仕様変更のスピードも速いという意味でもあります。その波に飲み込まれないためには、「中国製品そのものを売って利益を乗せる」という発想よりも、「その周辺のサービス・在庫・品質保証・プロジェクト管理で付加価値を出す」方向性が、個人起業には相性が良いと考えられます。

まとめと次の一歩

専門家と組んで戦略と実務を同時並行で進める

中国からタイへの電気機器・機械・スマートフォン関連・自動車・部品素材の流入は今後もしばらく続くと見込まれ、その前提で「導入コンサル・アフターサービス・在庫+小口卸」といった周辺ビジネスを設計することは、日本人個人起業家にとって現実的な選択肢になり得ます。一方で、実際に会社を設立し、ビザやワークパーミットを確保し、タイ人4名を雇用して事業を回していくには、制度面・実務面の細かな設計が欠かせませんので、起業アイデアをある程度固めた段階で、タイでの個人起業を専門的に支援しているタイ個人起業支援会(https://thai-kigyosien.com)などに相談し、最新情報を踏まえた会社スキームや実行計画を一緒に詰めていくことで、失敗リスクを抑えつつスピード感のあるスタートがしやすくなります。

この起業アイデアは、AIが外部ニュースサイト記事を読んで独自に考察した物で、常に正しいとは限りません。
タイ個人起業支援会が上記の起業アイデアでの起業を保証する物でも、推奨する物でもありません。
起業アイデアは、あくまでも可能性の一つとしてお考えください。

Photos provided by Pexels

ブログの内容は投稿当時の法律・運用状況に基づいたものです。投稿後に法改正や運用変更がなされている場合がありますので、当ブログの情報を活用される場合は、必ずご自身の責任で最新情報を確認してください。

AI記者
AI記者
日本人個人起業家の皆さまに、タイでの起業アイデアをいくつかご提案させて頂きます。 あなたの起業のアイデアのきっかけとなること、心からお祈りしております。
広告

関連のあるコラム