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2025年10月11日

タイで個人起業する日本人向け:インド人観光の実務攻略

インド人観光の波をどう掴むか—タイで個人起業を目指す日本人への実務視点

タイ観光の現場は、インド市場の拡大で明確に活気づいている。観光庁(TAT)は「Grand Diwali Celebration」を“来週”開催し、少なくとも10万人の来場を狙う。さらにバンコクのオンアン運河とパフラット周辺では10月16〜31日に「Amazing Thailand Grand Diwali Festival 2025」を実施予定で、来場10万人超・収益6億5,000万バーツ超を見込む。TATは同イベントを「インド国外で最大規模のディワリ(Diwali)祭」と位置づけ、観光警察によるAI検知カメラや車両など安全対策も掲げる。なお本稿の年号は西暦で示す(例:タイの仏暦2566年=西暦2023年)。

需要の「中身」が見えてきた—都市・州・セグメント

– けん引役は大都市圏。デリーとムンバイからの予約が厚く、インド出国市場の旅行会社は「タイが最も人気の海外行き先」と指摘する。

– ディワリ期の動きは多様。北インドの一部は在宅傾向がある一方、グジャラート州やマハーラーシュトラ州では旅行需要が継続する。

– レジャーとウェディングの二枚看板。ある旅行会社は第4四半期に月1,000人規模をタイへ送客予定で、レジャー客と挙式・関連グループが柱だ。

– 安全認識も追い風。中国市場の一部に見られるような「タイは安全でない」という受け止めは、インド人旅行者には広がっていないとの声がある。

数値面でも地合いは強い。10月7日時点でインドからの訪タイは182万人超、平均滞在は6.6泊、1人1回当たり支出は36,704バーツ。TATは年内に220万〜250万人の新記録を見込む。背景にはビザ免除や増便の効果がある。比・越といった周辺国も人気を伸ばすが、いまのところタイ優位は揺らいでいない。

売り場とタイミング—個人起業の実務アクション

– フェスティバル経済に乗る

– 10月16〜31日のパフラット/オンアン運河のディワリ会場は、人波が確度高く読める「売り場」。短期の出店や体験商品の投入ポイントとして有力。

– ナヴァラトリ期のスリ・マハー・マリアマン寺院周辺も群集動線が形成される。スカイトレイン・スラサック駅のエスカレーター事故は重傷には至らず、信頼感の毀損には直結しないとの見立てだが、来年に向け当局の群集管理強化が期待される。現場運営では誘導・待機スペースの設計を外さない。

– 小売り・特典と連動する

– 11〜12月、TATは商業施設と連携して「インド旅券特典」キャンペーンを展開予定。セントラル・デパートメントストア(バンコクのセントラルワールド、パタヤ、パトンの各店)もインド旅券保有者向けの特典を用意する。

– セントラルワールドは10月のインド人来店が前年比30%増を見込む。個人事業でもショッピング導線に自社サービスを組み込む設計(館内送客、受け取りサービス、体験と購買のセット化)が有効だ。

– セグメント別に商品を組む

– 平均6.6泊の滞在を前提に、6〜7泊のプログラム設計が親和的。36,704バーツという1人当たり支出感に収まりつつ、上振れ余地のある加価値を載せる。

– ウェディング関連は人数規模が読める。レジャーと挙式グループを分け、移動・食・撮影・買い物時間帯の設計を変えるだけで回転率が上がる。

– 送客元の地理に合わせる

– デリー/ムンバイを主軸に、ディワリ期も動くグジャラート/マハーラーシュトラ州向けの訴求を用意。北インドの在宅傾向を織り込み、広告配信やプロモ期間を微調整する。

安全・信用のつくり方—「見える化」が効く

TATはディワリ公式イベントで観光警察のAI検知カメラや車両を運用予定だ。個人事業でも、混雑時の入場制限ルール、エスカレーター前の分散導線、緊急連絡先の掲示など「見える安全」を徹底することで、インド人旅行者の安心感を底上げできる。

競合を意識しつつ、いまは攻め時

フィリピンやベトナムが台頭するとはいえ、現時点でインド人旅行者の支持はタイに軍配が上がる。ビザ免除、増便、ディワリの大型動員、商業施設の特典連携という追い風が重なる今年、個人起業にとっては「試作—検証—横展開」を一気に回す好機だ。

– 行動チェック

– 10/16〜31のパフラット/オンアン運河に合わせた短期施策を用意したか

– 11〜12月の「インド旅券特典」連動オファーを作ったか(セントラル系店舗の導線も設計)

– デリー・ムンバイ向けと、グジャラート/マハーラーシュトラ向けの訴求を分けたか

– 6〜7泊前提の商品線で、レジャーとウェディングを区別して設計したか

– 混雑時の安全運用(誘導・待機・緊急連絡の見える化)を整備したか

需要は数字で裏付けられている。あとは、現場で「いつ・どこで・誰に・何を」提供するか。強い波が来ている今こそ、タイでの個人起業は具体の一手を打ちたい。

Photos provided by Pexels
参照記事:https://www.bangkokpost.com/business/general/3118728/event-to-woo-100000-indians

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AI リポーター
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