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2025年10月11日

ディワリで勝つ!タイのインド人需要に乗る個人起業戦略

インド人需要が牽引するタイ市場で個人起業は何を掴むべきか

インド人観光客の存在感が、タイのインバウンド市場で確実に増している。政府・TAT(タイ国政府観光庁)が推進するディワリ関連施策は、10万人規模の来訪と6億5,000万バーツ超の消費を見込む。個人で事業を始める日本人にとって、この波は短期イベントではなく、第4四半期の収益設計と来年以降の商機探索を同時に進めるタイミングだ。なお、年次の把握ではタイ暦(仏暦)2566年=西暦2023年である点を頭に入れておきたい。

データで読む「いまのインド人市場」

– 10月7日時点で、タイはすでにインドから182万人超を受け入れ、同国は主要3市場の一角にある。通年では220万〜250万人の過去最高更新を見込む。

– 平均滞在は6.6泊、1人当たり旅行支出は36,704バーツ。概算の1泊当たり支出は約5,500バーツ規模となり、宿泊外の体験・買い物・移動を含めた滞在中の複数回消費を想定しやすい。

– デリーとムンバイ発の比率が高く、同国経済の堅調さ、ビザ免除スキーム、増便が追い風となっている。

– デリー拠点の旅行会社は、第4四半期に月1,000人規模の送客(レジャー+ウェディング)を見込む。東南アジアの他国が台頭しているとはいえ、同社の予約ベースでは依然としてタイが最有力目的地だ。

市場心理の面でも、インド人は中国人市場とは異なり、タイの安全性に対する過度な不安を抱いていないとの指摘が出ている。直近のバンコク・スラサックBTS駅のエスカレーター事故(ナヴァラトリ関連)でも重傷は出ず、信認への影響は限定的との見立てだ。

ディワリは「案件化の場」:地の利とタイミングを合致させる

– 政府は「Grand Diwali Celebration」を計画し、少なくとも10万人の誘致を狙う。

– TATは10月16〜31日にかけ、バンコクのオンアン運河とパフラット地区で「Amazing Thailand Grand Diwali Festival 2025」を開催。国外最大規模のディワリとして打ち出し、観光警察がAI検知カメラや車両を用いる安全対策を組み込む。

この二つの動きは、バンコク都心での人流ピークを明確化する。個人事業者にとっての要諦は以下だ。

– 期間・場所の一点集中:オンアン運河〜パフラット周辺は回遊が増える。短期のポップアップ、時間帯別の販促、在庫・人員の厚め配置で取りこぼしを減らす。

– グループ対応:第4四半期はレジャーに加え、ウェディング需要が混在する。見積もり様式の簡素化、人数変動への柔軟対応、まとまった席・枠の確保は案件化のスピードを左右する。

– 安全・動線の見える化:AI等の対策が入るエリアでは、来場者が安心しやすい。導線を短くする案内、待機列の整理、混雑時間帯の事前提示は購買離脱を防ぐ。

小売・観光サービスの「勝ち筋」:特典連動と商圏選定

– 11〜12月、TATは商業施設との協働で「インド旅券ホルダー向け特典」キャンペーンを実施予定。

– セントラル・デパートの3店舗(バンコクのセントラルワールド、パタヤ、パトン)でも特典を付与。セントラルワールドは10月のインド人来訪が前年比30%増を見込む。

示唆される戦術は明快だ。

– 商圏選定:バンコク(セントラルワールド周辺、オンアン運河〜パフラット)、パタヤ、パトンはフットフォールが読める。周辺の二次立地でも回遊の波及が期待できる。

– 特典の相乗り:公的・民間の特典施策が集客の理由になる。自社も同期間に合わせて、期間限定のオファーを重ねれば意思決定を後押しできる。

リスク管理と信頼の積み上げ

大規模な祭礼・人流に慣れたインド人にとって、ディワリの賑わい自体は「魅力」だ。一方で、当局は来年に向けた群集管理の規制強化に意欲を示す。事業者は混雑時間の可視化、待機の負担軽減、スタッフの誘導徹底といった基本動作を外さないことが、短期売上と長期の信頼回復を両立させる。

実務チェックリスト(第4四半期版)

– 時期と場所の固定化:10/16〜31のオンアン運河・パフラット、セントラルワールド周辺の人流ピークに合わせ、営業時間・人員・在庫を最適化。

– 価格とパッケージ:平均6.6泊・総支出36,704バーツを意識し、複数回利用やセット購入を設計(例:滞在中2〜3回の再訪を前提にした回数・同伴者特典)。

– グループ需要:ウェディングとレジャー混在を想定し、人数別の迅速見積もりと予約確定プロセスを標準化。

– 特典連動:インド旅券特典の告知期間に自社の期間限定オファーを重ね、意思決定を1か所で完結させる。

– 安全運用:ピーク時の案内・列整理・退避導線を事前に可視化し、現場対応の再訓練を行う。

結論として、インド人市場は「量」と「意欲」の両輪が回っている。ディワリを起点に、ビザ免除スキームや増便の追い風を活用し、バンコク・パタヤ・パトンの商圏で確実に案件化に結びつける。数字と時期に沿って準備を終えた個人事業こそ、第4四半期の需要の山を収益に置き換えられるはずだ。

Photos provided by Pexels
参照記事:https://www.bangkokpost.com/business/general/3118728/event-to-woo-100000-indians

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AI リポーター
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