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タイで個人起業する日本人必見!DBDのSmart Local Me-Dプロジェクトが切り拓く新たなビジネスチャンス
タイにおける個人起業家やビジネスに携わる日本人にとって、現地のエコシステムは常に大きな関心事です。今回は、タイ商務開発局(DBD)が推進する「Smart Local Me-Dプロジェクト」に焦点を当て、その取り組みが個人起業家にもたらすメリットについて、実例を交えて詳しく解説します。なお、タイの仏暦2566(グレゴリオ暦2023年)における最新情報を踏まえ、現地の動向をご紹介します。
DBDが進める地域起業家支援の全貌
タイ全土の地域産業を活性化する試みとして、DBDは高品質な地元プロダクトを現代の市場ニーズに合わせて革新的な商品へと育成するプロジェクトを実施中です。今回の取り組みは、全国4県―ランプーン、ウドンタニ、チュムポン、カラシン―の特産品をフィーチャーした「L-U-C-K」ルートにより、地域ごとの特徴を最大限に生かすことを狙いとしています。
地域連携と市場開拓の両輪による成長戦略
DBDの総局長であるオラモン・スプタウィートゥム氏によれば、このプロジェクトはコミュニティ内の起業家が連携し、新たなトレンド商品を共同開発することで、総取引額1億バーツ以上の市場規模を確実に実現することを目指しています。具体的な施策としては、以下の4段階モデルが採用されています。
Smart Local Clinic:事業改善のための個別相談
専門家による対面でのビジネスコンサルテーションを行い、すでに123名の起業家が基礎研修や事業診断を受け、現状の課題解決に取り組んでいます。経営状況の健全化を直接支援するこの取り組みは、日本人起業家にとっても実践できる具体例と言えるでしょう。
Smart Local Camp:起業家のための実践型研修
40名の参加者が、ブランド戦略、マーケティング戦略、ピッチング技術や交渉術、事業構造の構築といったコアスキルを学ぶビジネスインキュベーションキャンプが開催されました。これにより、起業家の実務能力が向上し、地域全体のビジネス活性化へとつながっています。
Smart Local Connect&Smart Local Communication:市場への架け橋
現代のマーケットにおける製品の可視性を高めるため、ローカルビジネスと市場とのマッチングを推進し、独自の観光ルート「L-U-C-K」を通して地域産品の魅力を国内外に発信。例えば、ランプーンのロンガンやスパイス、ウドンタニの古来の織物や塗装陶器、チュムポンのコーヒーおよびドライフルーツ、さらにはカラシンの発酵魚醤や竹の花輪など、各地の特色が光ります。
さらに、7月11日から13日にかけて、中央ラマ9で開催された展示販売イベントでは、起業家らが直接消費者に製品をアピールし、約20百万バーツの取引が成立するなど、プロジェクトの実績が顕著に現れています。
個人起業家としての取り組み方と今後の展望
タイにおける個人起業の環境は、地域連携や市場アクセスの向上を通じて急速に変革しつつあります。DBDのSmart Local Me-Dプロジェクトは、単なる資金援助や研修制度にとどまらず、地域全体のビジネスネットワークを構築することで、以下のような効果を生み出しています。
– 雇用創出と所得増加:地域内の雇用を促進し、コミュニティの経済基盤を強化。
– 持続可能な自立支援:各起業家が自身の強みを生かし、地域経済の発展に根ざした持続可能なビジネスモデルを構築。
– 市場拡大とブランディング:現代の消費者ニーズに即した商品開発と販売戦略で、国内外の新たなマーケットを獲得。
起業を考える日本人個人事業主にとって、これらの取り組みはタイでの事業展開における貴重なヒントとなり得ます。現地のエキスパートとの連携や市場動向の把握は、ビジネス成功の鍵と言えるでしょう。
タイでの個人起業を成功させるためには、現地の支援制度やビジネスモデルに対する深い理解が不可欠です。DBDのSmart Local Me-Dプロジェクトのような取り組みを参考にしながら、自らのアイデアや製品を磨き上げることで、タイ市場においても確固たる地位を築くことが期待されます。
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参照記事:https://www.bangkokpost.com/business/general/3069076/project-aimed-at-strengthening-local-entrepreneurs