パオプーム財務副大臣が物品税の改革案を提示、自動車やバッテリーなど5分野
2024年11月19日、バンコク発。タイのパオプーム・ロジャナサクン財務副大臣は、11月5日に物品税局に対して、財務省の物品税改革案を説明しました。この改革案は、自動車、石油製品、健康、バッテリー、たばこの5つの分野に焦点を当てています。今回は、この改革案の主な内容について詳しく見ていきましょう。
自動車業界への影響
自動車分野では、物品税制の優遇措置が提案されています。これは、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、バッテリー式電気自動車(BEV)、燃料電池自動車(FCEV)の国内生産を増やすことを目的としています。さらに、内燃機関自動車(ICE)やハイブリッド電気自動車(HEV)の生産基盤も維持するために、自動車業界全体を支援する方針です。
このような施策は、タイの自動車産業の競争力を高め、持続可能な交通手段の普及を促進することが期待されています。投資を刺激することで、国内の雇用創出にもつながるでしょう。
この記事の目次
石油製品とカーボンプライシングメカニズム
石油製品に関しては、物品税の一部を炭素税に振り替える「カーボンプライシングメカニズム」が導入される予定です。このメカニズムは、燃料が排出する温室効果ガスの量に基づいて、政府が設定した炭素価格を適用するものです。具体的には、1炭素換算トン当たり200バーツ(約880円)という価格が設定されています。
この取り組みは、環境への配慮を強化し、持続可能なエネルギー政策を推進するための重要なステップです。価格に影響を与えないように配慮されているため、消費者への負担を最小限に抑えることが期待されています。
健康促進のための物品税引き上げ
健康分野では、国民の健康を推進するために、砂糖を含む飲料の物品税が引き上げられることが継続されます。さらに、2025年までにタイ人の塩分消費量を30%減少させる目標を達成するため、塩や脂肪を含む製品に対する物品税の導入も検討されています。
これにより、国民の健康意識が高まり、生活習慣病の予防につながることが期待されています。健康的な食生活を促進するための政策は、長期的な医療費の削減にも寄与するでしょう。
バッテリー産業の促進
バッテリー分野では、クリーンバッテリーと電気自動車産業を促進するために、現状の固定税率(8%)を維持しつつ、製品寿命や重量、バッテリーの種類に応じた段階的な税率への変更が検討されています。これにより、バッテリー産業の成長を支援し、持続可能なエネルギーの普及を加速させる狙いがあります。
たばこ税の見直し
たばこ分野では、混合税率によって市場価格がゆがめられている現状を改善するため、たばこ税の構造を単一税率に変更することが検討されています。この変更により、たばこの価格がより透明になり、消費者にとっても理解しやすくなるでしょう。
結論
タイの物品税改革案は、自動車、石油製品、健康、バッテリー、たばこの5つの分野において、持続可能な発展を目指す重要な施策です。これらの改革が実施されることで、タイの経済はより強固になり、国民の生活の質も向上することが期待されます。今後の動向に注目していきたいですね。
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よくある質問(FAQ)
Q1: 物品税とは何ですか?
A1: 物品税とは、特定の商品やサービスに対して課税される税金のことです。例えば、石油製品やアルコール飲料、乗用車などが含まれます。
Q2: 自動車の物品税制の優遇措置はどのようなものですか?
A2: 自動車の物品税制の優遇措置は、プラグインハイブリッド電気自動車やバッテリー式電気自動車の国内生産を促進するための税制優遇です。
Q3: カーボンプライシングメカニズムとは何ですか?
A3: カーボンプライシングメカニズムは、燃料が排出する温室効果ガスの量に基づいて炭素税を適用する仕組みです。
Q4: 健康促進のための物品税引き上げはどのように行われますか?
A4: 砂糖を含む飲料の物品税が引き上げられ、塩や脂肪を含む製品に対する物品税の導入も検討されています。
Q5: たばこ税の構造変更はどのような影響がありますか?
A5: たばこ税の構造を単一税率に変更することで、価格が透明になり、消費者にとって理解しやすくなることが期待されます。
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参照記事:https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/11/2226c154e180d3cb.html